万年筆の使い方・書き方・お手入れ方法・洗浄方法

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万年筆とは、細い管の内側の液体が管の中を上下する物理現象「毛細管現象」を利用し、インクが溝の入ったペン芯からペン先に持続的に供給されるような構造を持ったペンのことです。
昨今ではメンテナンスが必要な点や、乾燥・気温差などに弱い点などから、汎用性が高く、使いやすいボールペンの方が一般的に普及しています。しかしそれでもなお百貨店やデパートには必ず万年筆売り場があり、メンズ雑誌などでは度々万年筆の特集が組まれ、そしてギフトの定番として、今なお根強い人気を誇っています。
ここではそんな万年筆の魅力や使い方などを紹介していきたいと思います。




CONTENTS / 目次

・万年筆の魅力

・万年筆の構造

・ペン先の種類

・インク充填機構の種類

・インクの入れ方

・メンテナンスの仕方

万年筆の魅力

  • 魅力その1「ファッション性が高い」
    万年筆はキャップを開けた時、その特徴的なペン先からボールペンと違ってとても存在感があり、一目で万年筆であるとわかります。そのインパクトのある外観は、さり気ない宝飾品として持つ人のファッション性を高めてくれます。また、ボールペン全盛の昨今、敢えて万年筆を使うという行為そのものがサブカルチャー的でファッション性が高く、個性を表現するアイテムとして成り立ちます。


    魅力その2「長時間の筆記でも疲れにくい」
    万年筆はその構造から、紙の上を滑らせるだけで文字が書き込まれるので、筆圧がほとんど必要ありません。ですのでボールペンやシャープペンシルなど他の筆記用具と比較して疲れにくいというのが特徴の1つです。


    魅力その3「文字が美しく見える」
    万年筆は他の筆記具に比べトメやハライ、線の強弱が表現しやすく、また万年筆インク特有の濃淡も表れるため、文字に「味」が出やすく綺麗に見えます。


    魅力その4「使うほどに使用者に馴染む」
    万年筆は使い続けることにより紙に触れるペンポイントという部分が少しずつ摩耗していき滑らかになっていきます。その摩耗の仕方は使用者のペンの持ち方や書き癖に影響されるため、使い込めば使い込むほどその人にとって書き心地のいい万年筆となります。


    魅力その5「半永久的に使える」
    万年筆はその名の通り、正しいメンテナンスをすることで長い間使い続けることのできる筆記具です。祖父から譲り受けた万年筆なんていうのもよく聞きます。そして長年使い続けることにより愛着も湧き、使用者にとって唯一無二の相棒となっていきます。


万年筆の構造


ペン先
万年筆のパーツの中で最も重要なパーツであるペン先には、書き心地を実現する柔軟性、長年使用するための耐久性、インクの常時接着に対する耐酸性がそれぞれ必要とされています。これらは素材や形状によって大きく左右されます。一般的には弾力性に優れ、酸化や腐食にも強い金が素材として使用されていますが、現在では技術も進歩し、金と比べると柔軟性に欠けますがコストパフォーマンスに優れ量産も可能なステンレスを使用したものもあります。

ペンポイント
実際にペン先と紙が触れる部分になります。筆記の際は一定の筆圧を持って紙の上を走り続けるため、金のように柔らかい金属では、摩耗に弱くすぐにすり減ってしまいます。これを防ぐためにより硬いイリジウムとオスミウムの合金であるイリドスミンという金属を溶接することで耐久性を向上させています。

首軸
筆記の際に持つ部分になるため、握りやすく手に馴染みやすいような構造になっています。

胴軸
インクの貯蔵部であると同時に、握りやすい太さになっています。筆記の際、胴軸の重さは書き味を左右する重要なポイントの1つになります。製品によって様々な素材が使用されていたり、色んな装飾が施されデザイン性を高めたものなど多種多様です。

キャップ
ペン先を保護し、インくの乾燥を防ぐ蓋の部分です。胴軸同様色々な材質、デザインがあります。キャップを挿して筆記する際は、形状や重さでバランスや書き味左右するパーツの1つとなります。

クリップ
胸ポケットなどに挿す場合にポケットから見える部分になるため、製品によって特徴を出すシンボルとして色々とデザインされています。


ペン先の種類


ペン先には各製品、メーカー、ブランドによって様々な字幅が用意されており、好みや用途によって書く文字や絵の線の太さを選ぶことができます。
表記はEF(極細)、F(細字)、M(中字)、B(太字)などが一般的ですが、統一規格などがあるわけではなく各メーカー独自の基準によって決められています。また同じ製品でも紙やインクの種類、筆圧などによっても左右されるため一律の基準はありませんが、海外メーカーの製品は、日本のメーカーの製品よりも同じ表記でも若干ペン先が太い傾向にあります。
基本的には字幅が太くなればなるほどインクの流量が増すため、インクの出が良く感じられます。



EF/XF(極細)
手帳など細かい文字を書く方におすすめです。

F(細字)
ノート、ダイアリー、手紙、履歴書など幅広い用途に適しており、初めて万年筆を利用される方におすすめです。

M(中字)
汎用性が高く、幅広く使われる定番の字幅です。文字の強弱もつけやすく万年筆での書き味をより楽しんでいただけます。

B(太字)
署名や宛名書き、サインなど大きく文字などを書きたい方におすすめの字幅です。


また製品によっては上で紹介した字幅以外にも、縦と横で線の太さが変わる「STUB(スタブ)」や、毛筆のように字幅の強弱が強調できる「FA(フォルカン)」などといった様々な特殊ペン先が用意されていることもあります。




インク充填機構の種類


  • カートリッジ式
    インクの補充を簡単に行う為、インクが入っているカートリッジをペン本体内部に差し込むことによってインクを補充する方式です。初めて万年筆を使用される方や外出先で万年筆を使うために万年筆を携帯される方におすすめです。カートリッジの形状はメーカー毎に異なっており、基本的には同じメーカーのインクカートリッジを使用します。


  • コンバーター(両用)式
    コンバーターと呼ばれるインク吸入器を本体に差し、ペン先をボトルインクに付けインクを吸い上げて補充する方式の機構です。多くのコンバーター式の製品はコンバーター/カートリッジ両用式となっており、カートリッジ式としてご利用いただくことも可能です。


  • 回転吸入式
    ペン先をボトルインクに浸し吸入ノブを回して胴軸内部のピストンを上下させることによりインクを吸入する方式で、現在の吸入式の主流となっています。吸入式はカートリッジ式やコンバーター式に比べて一度に多くのインクを補充できるというメリットがあります。


  • プランジャー吸入式
    吸入式機構の一種で、吸入ノブを引っ張り上げた後押し下げることにより胴軸内部のプランジャーと呼ばれるパーツを往復させ胴軸内部を負圧にし開放した時の圧力差でインクを吸入する方式です。現在ではこの方式を採用している製品は多くはありませんがそのユニークな機構でファンの多い方式です。


インクの入れ方


    カートリッジ式

  • 1、首軸を胴軸から取り外す。

  • 2、ペン先を上に向け、インクカートリッジを首軸にまっすぐ差し込む。

  • 3、胴軸を戻しインクがペン先に伝わるまでしばらく時間を置く。



    コンバーター式

  • 1、首軸を胴軸から取り外しコンバーターを差し込む。

  • 2、コンバーター装着後コンバーターの吸入ノブを反時計回りに回しピストンを下まで下げる。

  • 3、ペン先がインクボトルに触れないようにペン先全体をインクに浸す。

  • 4、コンバーターの吸入ノブを時計回りに回しピストンを上げインクを吸入する。

  • 5、いっぱいまで吸い上げたら吸入ノブを少し反時計回りに回しインクを2、3滴落とす。

  • 6、ペン先の周りについた余分なインクは柔らかい布やティッシュで拭き取り、使用して下さい。



    吸入式

  • 1、吸入ノブを反時計回りに止まるまで回し中のピストンを下げる。

  • 2、ペン先がインクボトルに触れないようにペン先全体をインクに浸す。

  • 3、吸入ノブを時計回りに回しピストンを上げインクを吸入する。

  • 4、いっぱいまで吸い上げたら吸入ノブを少し反時計回りに回しインクを2、3滴落とす。

  • 5、ペン先の周りについた余分なインクは柔らかい布やティッシュで拭き取り、使用して下さい。

メンテナンスの仕方


万年筆が書けなくなる原因の多くはインクの水分が蒸発し、ペン先などにインクの成分が固まって詰まってしまっている「インク詰まり」です。大切な万年筆をいつまでも気持ちよくお使いいただくためのメンテナンス方法をご紹介します。万年筆の一番のメンテナンスは毎日お使いいただくことですが、しばらく万年筆を使う予定がないときや、インクの色を入れ替えられるときは、一度綺麗に掃除してください。


    カートリッジ式

  • 1、首軸を胴軸から取り外す。

  • 2、カートリッジを引き抜き水またはぬるま湯を入れたコップに首軸とペン先を入れ一晩放置。

  • 3、最後に流水などで軽く濯いだあと、柔らかい布またはティッシュペーパーで水分を拭きとってください。



    コンバーター式

  • 1、首軸から胴軸を取り外す。

  • 2、水またはぬるま湯を入れたコップなどにペン先を浸し、インクを吸入する要領で水を吸入する。

  • 3、吸入した水を排出。この吸入と排出をインクの色が出なくなるまで水を入れ替えながら繰り返す。

  • 4、首軸からコンバーターを取り外しペン先と首軸を軽く水で濯ぎ、水に浸したまま一晩放置。

  • 5、最後に流水などで軽く濯いだあと、柔らかい布またはティッシュペーパーで水分を拭きとってください。



    吸入式

  • 1、インクが残っている場合は吸入ノブを回し、インクを抜いて空にする。

  • 2、水またはぬるま湯を入れたコップなどにペン先を浸し、インクを吸入する要領で水を吸入する。

  • 3、吸入した水を排出。この吸入と排出をインクの色が出なくなるまで水を入れ替えながら繰り返す。

  • 4、最後に流水などで軽く濯いだあと、柔らかい布またはティッシュペーパーで水分を拭きとってください。